夏姫たちのエチュード
          〜789女子高生シリーズ

           *YUN様砂幻様のところで連載されておいでの
            789女子高生設定をお借りしました。
 


      




 まずはの1日目は、例の連中の乱入もなく。ついでに言えば、お嬢さんたちの演奏も、誰も一回もトチらなかった素晴らしい出来だったとかで、

 『緊張感があったのが良かったのかも知れません。』
 『??』
 『緊張感って?』
 『だって。/////』
 『先輩たちが見ておいでだって思うと、なんかあのその。/////////』
 『あらまあvv』

 怖いお兄さんたちが来ないかと怖がってじゃあなく、敬愛するお姉様がたの前で失敗なんてと思えたほどに、演奏のほうへ気持ちはすっかりと戻ってたのなら、ローディー作戦は、まま成功じゃあなかろかと。だが、勿論のこと そこまでの詳細はわざわざ言わず、

 『あたしたちってそんなに怖いかなぁ。』
 『偉そうなら改めなければ。』
 『…、…、…。(頷、頷、頷)』
 『あっ、いえあのっ。////////』

 軽やかな冗談めかしてから、嫋やかに微笑って差し上げ。じゃあまたねと、宵の中を手を振ってお別れして。何ということも起こらぬままに暮れた陽が夜陰を掻いくぐり、次の朝がやって来て。午前の練習は音合わせとそれから、小一時間とはいえ初めてのステージを任されるとあっての、立ち位置への打ち合わせを少々。アンプの配置なども話題に上がり、それへは、

 『知り合いからアンプをもう一台と、それとスピーカも借りて来ますわねvv』

 だから安心してと平八が事もなげに言い足したことから、却ってまたまた恐縮させたりもして。
『あらだって、ステージのセッティングもローディーの仕事ですもの♪』
 それに機械いじりは大好物だから、むしろ“やらせて”とお願いしたいくらい、なんて。喜々として言い出したのは…何の作為もない素の願望だなと。七郎次や久蔵には容易に知れた おまけもありの。結構にぎやかな一時は あっと言う間に過ぎゆきて。

 「皆さんは?」
 「お総菜屋さんのお手伝いですって。」

 バンド娘4人組は大抵固まって行動しているので、さりげなく誰か一人が付いていることとしているのだが。店舗の中に大人といるのなら安心だろうと、さりげなくついてった平八がそそくさと離れたのは、彼女らだけの方が気が休まるだろうとも思ったからで。楽器やアンプを置いている広場にて、こちらもさりげない“張り番”を担当していた七郎次や久蔵と合流したのが、お昼ご飯も済んで小半時も経っただろうかという、少ぉし気怠い昼下がり。上の通りの街路樹が落とす木洩れ陽が、ここからだと光だけがモザイクみたいに見えており。それが随分と綺麗で、思わぬ眼福ですねと微笑ってから。

 「あの4人がやたら畏まるものだから、
  アタシたちって途轍もないお嬢様だと思われてるらしいですね。」
 「そみたいですね。」

 商店街の皆様からまで、いちいち恐縮がられることが多いのを思い出したか、くくっと微笑いつつそんな言いようをした平八へ。意同と頷いて見せた七郎次の傍らから、久蔵が白い手をすいと延べて来て。買ったばかりなのだろう冷たい缶を、平八へも渡してくれる。わ、すみませんねと受け取って、最近のお気に入り、アジアンティーなのへ…ついつい苦笑が浮かぶ彼女であり。

 「?」
 「どしました? ヘイさん。」

 それ、久蔵殿が覚えてたんですよ? 最近、ヘイさんは あればこればっかり買ってるってと、七郎次が言い。それとももう飽きたのかと、まだプルトップを開けてなかったらしい烏龍茶を久蔵が差し出しかけたのへ、

 「いえ、違うんですよ。
  あの子たちの仲のよさって相当なもんだなぁって思ったんですが、
  アタシらだって大したもんだと。」

 いつもいつも手の届くとこ、目の届くとこにお互いがいるのが、仔猫の姉妹やジュウシマツみたいで微笑ましいなと思った。それに比べて自分たちはといや、おトイレをいちいち一緒する訳じゃないし、お弁当だって時間が合わないなら一人でだって済ませてる。メールは気がついたときに見て、手が空いてるときに返事を打つ…というのを、時に なんてドライな関係だろかと唖然とされたりもするのだけれど。大好きで大切なお友達だからって、何から何まで把握してなくていいのだし、そうでいてよと押し付けてどうすんだ…と、こっちからこそ それって奇異なことだと日頃思っていたもんだから。その鼻先へ、しかも意外な人物から、お気に入りなんでしょ?と、知ってたよと 突きつけられたのが随分なフェイントだったまで。

 “むしろ、油断も隙もないなぁと思っちゃうのって、どうなんでしょね。”

 こういうのが自立した大人っぽいとか言われる所以なんだろかと、妙なことへ悦に入ったまま、ありがとうとの目礼返し、かしりとプルトップを引き起こす。今日も今のところは安泰な商店街であり、

 「いよいよ明日が本番かぁ。」
 「そだねぇ。」

 半地下の広場は直射日光が届かぬその上、風の通りもいいのでかなり涼しい。高原のような爽やかな風とまでは言えないが、大理石を模したよなつややかな石壁に凭れて見上げた、斜め頭上に位置する車道沿いの表通りの目映い中にいるよりは、ずんと居心地もいい別天地。ほうと一息ついた彼女らだが、休憩も兼ねているひとときだったものの、忘れちゃいけないことを一応は刷り合わせ。

 「今日も何人か、あの連中らしいのが覗いていましたが。」
 「……。(頷)」

 今のところは睨みつけるだけで追い払えている雑魚ではあるが、それでも…執拗なのは変わらないようで。

 「まさかに、あの与太者たちの頭目が、
  こっちの4人のうちの誰かへ懸想をしての、
  不器用な構いつけをしているだけ…とは思えない以上、
  これはやっぱり、遠回しな恐喝、脅しと見るべきだと思うの。」

 「何ですか? その、少年誌ラブコメみたいな喩えは。」

 いやまあ、こういう“もしかして”も物凄く低い確率であるのかなぁとか思って、と。脱線しかかった部分へ律義にノッてくれた平八からの“はてな”へも、一応の受け答えをしてから、

 「明日のフェスティバルさえ乗り切れば、とは思うんですがね。」

 こちらさんは蓋つきのプラカップに入っていたカフェラッテを、ちょいと太めのストローで1口飲むと、そのまま口許をきゅうと引き絞る七郎次だ。何とはなく掴めて来た輪郭は、恐らく間違ってないと思う。だとすれば、少しでも此処の賑わいが増せば、それでもう向こうの思惑は潰せたようなものだと踏んでいるのだが。ただ、

 「思わぬ事態、か?」
 「うん……。」

 七郎次の杞憂に久蔵も気づいていたらしく。そんな短い一言だけで意が通じ、白百合さんの口許から、はぁあという遣る瀬ない吐息が洩れたほど。実行犯があんまり頭のいい連中じゃあなさそうなので、その愚直さから目的を思い切り間違えかねないのが難点だなぁと。選りにも選って、向こうさんの陣営の脆いところを、こっちからも案じているややこしさよ。

 「此処に人や人目を集めちゃならないという事へばかり固執して、
  警戒を高めたり監視される結果を招いては何にもならぬという、
  目的の真の方向を見失ったらどうしましょうか。」

 そも、こちらの差した目串からして、まだ推測の域を出ない部分もなくはなく。いつぞやの“女学園の庭荒らし”の一件の折のように、杞憂と案じから出た推量が八割でも重なっておればいいのだが。先程、まさかの“喩え”に上げたような、実はくっだらないオチだったら、

 “笑うしかありませんよね。”

 チンピラの親玉がせいぜいかっこいい正義の味方として現れて、仕込みの与太者たちを蹴散らして、怯えている少女らを助け出すんですよ。もう安心しな、今日からこの辺りは俺が仕切るから、もう怖い想いはさせないとか何とか言い出したりして……。

 「……シチさん?」
 「え? あ・えっと、何なに?」

 なに?じゃありませんよ、ぼんやりしてと。平八が わざとらしい吐息をつき、呆れた素振りをして見せて。

 「打つ手はまとまったんですし、
  結構 最悪の事態向けの対策なんですから、
  それ以上の案じなんて要らないはずですよ?」

 昨夜、わたしたちへとお説をぶって下さったのは誰ですか。こっちは“成程なぁ”ってそりゃあ納得したってのに、今になってそんなお顔をなされては こっちまで不安になっちゃいますよ、と。それにしては口調もしっかりしておいでな ひなげしさんであり。もうもう、そんなまで心配性でしたかね、シチさんはと。ちょっぴり目尻を吊り上げた猫目をきゅうと眇めた彼女から、お顔を覗き込まれまでしてしまっては、

 「…うん、そうだったね。」

 たじろいだ拍子、胸の奥のもやもやが すとんとどこかへ落ちてった気がした。下手な考え 休むに似たり、相手次第なところへまで気を揉むなんておかしいと。そんな格好ではあれ、何とか切り替えられたようで。気を取り直し、いかんいかんと苦笑を零す七郎次だったのへ、

 「そんなに自信がないのなら、いっそ勘兵衛さんに相談してはどうですか?」

 あとあとの風評とか考えると警察沙汰にはしない方が…という想いが、思考の根底にある七郎次なのが判っていながら。だからこそだろという からかい半分、そうまで言われたもんだから。まあぁと今度はストレートに頬を膨らませた白百合様が、

 「…そういや、二人は何か進展はあったの?」
 「?」

 打って変わってのお澄ましして見せ、いきなりそんなことを口にする。何の話だと、こればっかりは省略されてるところが読めなかったらしい、紅バラ様とひなげしさんのお二人が キョトンと顔を見合わせたのへ、

 「いつぞやは、勘兵衛様の腕時計でさんざんからかってくれましたが。」
 「ありゃ、覚えてましたか。」

 あちゃあと おでこをおおった平八とは反対側の、やはり七郎次の左のお隣りでは、久蔵もまた“ううう…”と唇をたわめて俯いてしまっており。………そして、

 「ゴロさんたら、
  学生時代の長い休みは遊べるだけ遊びなさいって、
  そればっかり言うんですよね。」

 お茶の缶に向かってのように呟いた平八に続いて、

 「……夏は学会が多いらしい。」

 金の綿毛をうつむかせ、紅バラ様までもが微妙に悄然としつつのこのお返事と来て。

 「…あらまあ。」

 寂しいなつまんないなとケータイで呼びかければ、いつだって応じてくれる。何だったら逢いに行こうか?とまで言ってくれる、優しいお友達な二人は、そこまで七郎次とお揃いだったらしいね、と。……いや、言っちゃったら厭味になりかねないので、思うだけで留めた七郎次だったのだが。理解があり過ぎたり忙しかったり…もしかしたら物事への理解や把握に格差があったり。年の離れた想い人相手の恋愛は、七郎次にかぎらず なかなかに難しいらしい。何とはなく予測はあったのにと、空しいこと訊いちゃったかなと。壁に背中を預けたまま、それぞれがずずずと真下へしゃがみこんでしまった、左右の乙女たちをやれやれと見下ろしておれば、

 「…あ、やっぱりだ。おシチちゃんたちじゃないか。」
 「え…?」

 シンプルなカラーTシャツと、デニムのサブリナパンツ(七分丈)なんていう、どこの生花店のアルバイトですかというよな、微妙に地味ないで立ちをしていても。色合いにむらのない、自毛としか思えない見事な金髪頭というのは やっぱり目立つものなのだろかと思ったほど。選りにも選って、名前まできっちりと言い当てられてのお声掛け。両側の足元近くへ いずれ劣らぬ美少女のお友達を連れてという、微妙な格好で立っていたお嬢さんへ、向こうからわざわざ声を掛けたのは誰あらん。

 「…佐伯さん。」
 「こんにちは。」

 昨日は車で通りかかったと聞いていたが、今現れた彼はどうやら徒歩で来たらしく。スーツの上着を肘へと引っかけ、下のワイシャツも腕まくりという、まあこの暑さじゃあしょうがないかなという恰好の、顔見知りの刑事さん。七郎次の想い人、警視庁捜査一課強行係島田班をあずかる 島田勘兵衛警部補の直属の部下にあたり。上司が蓬髪に顎髭という、どこか胡散臭い…もとえ、野生味あふれる精悍さの中に 掴みどころのないほど底の深げな人性の香を醸す、一筋縄ではいかなさそうな雰囲気をしたお人なのへの、これも一応フォローなものか。漆黒の髪をすっきりまとめた こちら様は、口調も言動も清潔感に満ち満ちた、きりりとシャープな印象の御仁であり。軽佻なところはないのだが、そうかといって いかにも警察官らしくお堅い人でもないようで。何より…勘兵衛を慕うこの随分と年下の金髪の美少女を、特にどうという詮索もせぬまま、知り合いの延長というよな範疇に収めてくださっているのが、メール嫌いな壮年という恋人持ちには 何ともありがたい存在だったりし。とはいえ、今日ばかりは…あのそのちょっと。

 「えと、何ですか?」
 「おや、つれないねぇ。」

 意外なところにいるのを見かけたもんだから、どうしたのかなと思ってね。あ、皆さんもこんにちは。すっかりと顔見知りになっている、お友達の美少女たちへもご挨拶を送って、

 「なに? 明日の夏祭りの準備のお手伝いだって?」
 「ええ、まあ…。」

 そうだった、一昨日綴った勘兵衛様へのメールに“月末まで出掛けてます”と触れたんだったと思い出す。気の利かない壮年殿から、そういや七郎次ちゃんはどうしてますか?と、さりげなく聞き出しちゃあ何かと気を回してくださる佐伯さんなので、そのくらいは通じていたって不思議はなくて、
「ご町内でもないのに?」
「ちょっとしたご縁が出来まして。」
 うふふと楽しげに微笑って、行動範囲の広い闊達さならではな自分には何でもないことと装って見せてから、

 「佐伯さんこそどうしました?
  この辺りは管轄ではありませんでしょうに。」

 あ、訊き込みですか?と。思いついたそのまま、食いついたように身を乗り出した七郎次に追随し、いかにも野次馬でございと平八も立ち上がってお顔を向ける。すると、

 「ああ、いや…大したこっちゃあないんだよ。」

 関心持たせて関わらせてはいかんと感じたか、今度は彼の側が引き気味になったので、好奇心旺盛なお嬢様作戦は、まま成功というところか。何ですよ、そっちから声かけて来といてと、未練たらたらな素振りで駄目押しすれば、

 「いやなに、君らがこうやってお顔を揃えていると、
  何か企んでんじゃなかろうかって妙な予感がするもんで。」
 「あ、ひっど〜い。」

 そりゃまあ確かに、警視庁勤務の彼が収拾に当たった事件もなくはなかったほどの活躍ぶり(?)ではあり、しかもその上、

 「先日だって、ネズミー・マリーナで壮大な鬼ごっこをやらかしたそうだし。」
 「………っ☆」

 あすこって千葉じゃなかったですか? うん、勿論 管轄じゃないけど、あわや湾岸警察のヘリまで動員されかけたほど、そりゃあにぎやかだった騒動だもの。関東管区の警察ならどこででも通じる話題になってるよ?と。あっさり言われて…、

 「あはは…。」

 微妙にひなげしさんのお顔が引きつったのはしょうがないとして。
(笑)

 「今回は そういう案じは必要ありませんて。」

 今日はポニーテイルにしていた金絲のような髪、少しほど後れ毛が落ちての額や頬、首条やらにかかっているのを指先で梳き上げながら、あえて何でもないことを繰り返した白百合様。しかもその上、

 「何だったら勘兵衛様にも来ていただきたいほどですわ。
  こないだの縁日に、遅刻なさったのだからその穴埋めに。」

 出店も出るし、そうそう射的みたいなボールの的当てもあるんです。ヘイさんがバスデイベアのぬいぐるみを五郎兵衛さんに捕ってもらったみたいに、アタシも何か射落としてもらいたいな…と。それは積極的なお誘いを伝言してねと押しつければ、

 「いやまあ、話はしておくけれど。」

 確約までは出来ないかなぁと、雲行きが怪しくなったそのまま、わざとらしくも腕時計をのぞき込み、それじゃあ、回るところがあるからと、そそくさ退散してった若手のホープさんを、バイバイと並んでのお手振りつきで見送った3人娘だったあたりが……げんきんな子たちなことよ。
(苦笑) とはいえ、

 「……良いんですか? あんな言いようしちゃって。」

 ほんのついさっき、勘兵衛さんに相談すればというよな言いようをした平八が、大丈夫かと案じているのも妙なもの。あくまでも表沙汰にはしない方が良いと、だから、多少は危険かも知れないが、バンド演奏に燃えてる彼女らの熱意を酌んでやり、無理から止めるのではなく見守るほうを選んだ自分たちなのにというのを、ひなげしさんから仄めかされた白百合様。ふふんと笑いながら、髪をふるふるっと揺さぶると、

 「大ぁ〜い丈夫。」

 腰に拳を当ててという、いやに自信満々な構えで言い放って見せるのが意外。何だ何だと久蔵と平八が手に手を取って見守れば、

 「来てくださいとお誘いしたなら来ないんですよ、あのお人は。」

  ……………お。

 「来るなと言やぁ、何か隠してるんじゃないかと、
  後ろ暗いところがあるんじゃなかろうかと 怪しみもするんでしょうが。
  あっけらかんと誘ったんなら、
  案じるこたぁないなと思うのが、勘兵衛様です。」

 そんな風に言ってのけ、ますますとそのお胸を張って見せた七郎次だったのが、一体どんな風に見えたやら。

 「……………。」
 「え? 何ですか? どしました、久蔵。」

 つつつと寄って来た三木コンツェルンのお嬢様が、バレエで演じた白鳥さんを思わす優雅さで、その白い両腕をふわりと広げると。大切なお友達の肩を抱き、小さめの頭を抱えてやっての“いい子いい子”と撫でてやるものだから。自分の方が泣きそうなお顔をしてという辺り、

 “どんだけ同情されてるやらですよね。”

 島田め、殺すと、そっちへ向かなんだだけマシでしょかと、こちらもこっそり苦笑した平八だったが。そんな彼女らがいる街角からは、ずんと東に位置するお堀端では、


  「………そうか。うむ判った、ご苦労。」


 デスク据え付けの電話を受けていた壮年殿が、小さく口許ほころばせての応対のあと、大きな手には玩具に見えそうな受話器をがちゃりと架台へ戻したところ。そのまま、持ち重りのしそうな頑丈そうな両手を組むと、肘をついてのデスクの上を眺めやり。盗品の手配書だろうか、写真のついた資料の何枚かを見回したものの、その口許が緩んでいるのは、お堅い資料なんぞ、実は全く見てはない証拠ではなかろうか。そして、

 「……あやつめ。そう言えば煙に撒けると思うたか。」

 何となく意味深なお言いようをしてのそれから、写真のうちの1つを手に取り、そこに写ったポプラ並木を眺めやる。


  はてさて、一体明日は 何が起きるものなやら。








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 *やっぱり勘兵衛様にも出ていただかないと、
  シチさん以上にわたしが寂しい…。
  今回もまた、おタヌキ様なのかどうかは、続きをお楽しみに。
(こら)


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